とある有名?ルアーのカラーはこうして作られた
私が以前勤めていた会社は
ルアーと呼ばれる釣り具を製造する工場でした
そこは下請け会社で、お客様からカラーのデザイン依頼が来る事が多いのですが
正直「小学生が書いた塗り絵かな?」と思ってしまうお客様が書いた下絵のデザインから商品レベルに仕上げる作業はとても辛かったです・・・
しかも、たまに商品として量産するには無理があり過ぎる品が依頼されてくることがありました
そのうちの一つがコレ
これをそのまま、ルアーに塗装してほしいと・・・
お客様から上がって来たサンプルを見た所、製品化・量産化を考えてエアーブラシではなく筆で塗らなくては不可能だと判断した私はまた一つ、壁にぶち当たります
製品化への前提条件としてーー
- 何十~何百本、まったく同じように塗ることができる者
- 筆で着色ができる者
- 頼まれて「私会社を辞めます」と言わない者
- 神がかった技術力と集中力がある者
うちの会社にコレが出来る人がいない!!
20人ほど作業員はいましたが、任せられる程の技術者が、いない!!
当時体調不良が長く続いていた私が1人で何百本もの製品を1本1本塗り上げるのはとても無理な話でした
「再現不能でしたと」断ってしまおうか・・・
もしくは低品質前提で話を進めてしまおうか・・・
いや待てよ?
いるじゃないか!最高の技術者が1人!!
我が嫁が!!!
会社で私が最も頼りにしている同僚兼、生活パートナー
彼女はとても器用で、数回塗り方を教えると私よりも綺麗で正確な製品を作り上げてくれました
そして1カ月、たった1人で全ての受注数を塗り上げた我が怪物(嫁)
つい最近その商品がリリースされたそうですが
ネットやツイッターでの評判はとても良く、それに身を削り切った嫁さんーー
いや、お嫁様は少しは報われるでしょうか
今思い返せば「そんな事が何度もあったな」と感じる夫婦の思い出話の1つです